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日本経済が絶頂期に向かいつつあった1980年代半ばに発生した「グリコ・森永事件」。
「かい人21面相」を名乗る犯行グループが食品会社6社を次々に脅迫。
「どくいり きけん たべたら しぬで」という脅し文句とともに、青酸ソーダ入り
菓子をばら撒くという手口で世間を震撼させました。
この事件を題材に、書かれたのが本書です。
事件の再取材を命じられた新聞記者と、自分の子供の頃の声が事件に使われたと
気づいた青年の二人が真実に迫る姿を、実際に新聞記者経験のある著者が描いています。
とてもフィクションとは思えないほど生々しい描写に溢れており、読み進むうち、
いつしか現実と虚構が溶け合うような感覚に陥ってしまいます。
綿密な取材の上、着想後15年を経て描かれた、著者渾身の長編小説。
ぜひ、ご一読ください。