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世界的イベントを打つ「呼び屋」vs.十津川!?謎を解く鍵は、“ホビートレイン”にあり!愛媛宇和島(うわじま)の闘牛と海外の闘牛士(マタドール)を戦わせる男。華やかな世界の裏にひそむ、底のない闇とは?〈著者のことば〉四国は鉄道に恵まれていないといわれる。確かに、電化されている区間は短いし、四国を一周する路線がない。それでも、それなりに工夫されて、走っているので、観光客にとっては、楽しめる。予土(よど)線には、新幹線の0(ゼロ)系をマネたオモチャのような列車が走っていて、これが、子供たちに大人気なのである。予讃(よさん)線には、海が目の前に見える無人駅として、再三ポスターに使われている下灘(しもなだ)駅がある。電化されていないし、列車の数も少ないが、職員の努力で、それを逆用した楽しさが、四国の鉄道にはある。ぜひ一度、四国の鉄道に乗ってほしい。そうすれば、四国の本当のよさがわかるはずである。国際的な音楽家やアスリートの興行を打つ「呼び屋」の東海元(とうかいはじめ)。彼が次に選んだのは愛媛宇和島(うわじま)の闘牛とスペインの闘牛士(マタドール)の対決だった。イベントはまたも大評判を呼ぶも、巨額の興行資金が回収されたかは不明。興味を抱(いだ)いたN新聞の記者梶本(かじもと)は東海の秘書山田真由美(やまだまゆみ)に接近した。同じ頃、多摩川(たまがわ)河川敷で殴殺(おうさつ)死体が発見され、十津川率(ひき)いる捜査本部に東海と事件の関連を示す告発状が届く。やがて、四国の予土(よど)線を走る、新幹線そっくりの“鉄道ホビートレイン”に東海が執着していたと判明、梶本が、そして十津川が四国へ飛んだ!