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日本経済は、20世紀末になぜ道を踏み間違えてしまったのか。何が間違っていたのか。高いコストを払って得たはずの教訓をどう生かすべきか。経済政策調整の要職にあった著者が、今にして思うことや反省すること、二度と繰り返してはならない失敗から学んだことなどを率直かつ明快に論じる。現実の経済が経済学の通説通りには動くわけではなく、国際環境や国内政治、社会情勢、官庁の力関係などとあわせて考えないと理解できないことを具体的に紹介。不幸な現実を出来させた、複雑に絡み合うさまざまな要因を一つ一つ解きほぐし、問題点を理路整然と批判的・反省的に検証する。近年の新自由主義的な「効率一辺倒・弱肉強食の格差社会」を強く批判し、人々の意識や価値観の次元にまで踏み込んだ変革の必要を説き、政策選択のための提言を行なう。今後の日本経済を論ずるうえで必読の経済政策論。