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好評を得た『司馬遼太郎と明治』の完結編。前作から続く西郷隆盛と大久保利通を中心とした「薩摩王国の終焉」に加え、明治維新を経て日露戦争の勝利までを描いた人気作品『坂の上の雲』の時代にスポットを当て、司馬遼太郎の思索を軸に近代日本の勃興期を読み解く。司馬遼太郎の作品世界を記者が歩く週刊朝日の人気連載をまとめた最新刊。近代日本が初声を上げた明治の群像の栄光と影を鮮やかに描ききった司馬遼太郎。連載では作品の舞台を訪ね、専門家の取材を重ねて、登場人物に新たな角度から光を当てる。「乃木希典vs児玉源太郎」「正岡子規vs夏目漱石」「伊藤博文vs山県有朋」。令和の時代へと続く近代国家の成立を支えた人々を、司馬遼太郎はどうとらえていたのか。作品の新たな魅力の発見にもつながる本書は、司馬ファンのみならず令和の時代の羅針盤にもなるヒントがつまっている。司馬遼太郎の講演「子規と漱石」「坂の上の雲の時代」、亡くなったドナルド・キーンさんの交友についての記事も掲載する。写真を担当する朝日新聞出版写真部の小林修は2017、18年、今連載に掲載した写真で2年連続で日本雑誌写真記者会賞の最優秀賞を受賞した。司馬作品の世界を写真で表現し続ける小林の最新作が掲載されることも、本ムックの魅力といえる。