出版社コメント情報
大手自動車メーカー・トミタの社長、村雨克明は、EV(電気自動車)全盛の時代を前に、自身の最後の仕事として、やがて消えゆくガソリンエンジン車のモニュメントとなる高級新型車の開発を決意する。村雨は、イタリアの老舗超高級自動車メーカー・ガルバルディで働く日本人女性、篠宮凛にプロジェクトリーダーを打診するが、凛からはある条件が出される。それは、新型車開発のみならず、EV時代におけるトミタを救うことになるかもしれない、前代未聞の提案であった。日本車の輝かしい歴史の記念碑として、そしてその未来を切り拓くために、最後にして最高の新型ガソリン車の開発が始まった。