出版社コメント情報
嘘をつくときのコツを教えよう。真実のみを話すことだ。ライナス=クルーガー、詐欺師。今日もいつも通り馬鹿なカモを騙し、小切手を手中に収め、金を着実に積み上げていく……はずだった。あの紫水晶の瞳と出会い、魂を覗かれるまでは。「〈真理の義眼〉第二眼(セカンドアイ)。」人生を賭して積み上げてきた命よりも大事な金を人質にされたライナスは、その少女と旅を共にすることに。特別な力を持つ〈貴族〉のクロニカ。少女の1人旅は訳アリでないわけがなく、すぐに異常は訪れた。「騎士団」と呼ばれる〈残党貴族〉の組織に襲撃される2人。クロニカは狙われ、追われながらも旅をしたいのだと言う。奪われた金を取り戻すため、後戻りのできない道に足を踏み込んでいくライナスを待ち受けるものとは。虚構の少女と独りの詐欺師が歩む嘘と真実のファンタジー旅路録。