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バラク・オバマの大統領就任は、日本でもブームのように盛り上がった。しかし一方で、大熱狂するアメリカ国民の様子をテレビで見るにつけ、「なぜそこまで?」と首をかしげる人もいただろう。ここには、オバマ流のコミュニケーション戦略が存在していた。従来のコミュニケーションとは、相手との「対立」を前提としたしくみの上に成り立っている。こちらが「是」、相手が「非」という明確な二元論。相手を説得する、「説得のコミュニケーション」だ。ところが、オバマのコミュニケーション戦略は人々の共感を醸成する「共感のコミュニケーション」。多様化する現代社会において、二元論をベースとしたコミュニケーションではもはや「対立」を超えて人々の意識を結びつけることには無力なのだ。アメリカにおける選挙コミュニケーションは、コミュニケーション技術を競うレース。そこではさまざまなコミュニケーション手法が開発され、コミュニケーション・コンサルティングの世界で活用される。なかでも、アメリカ大統領選は最高のレース。オバマ大統領選の舞台裏をかいま見つつ、これまで選挙に興味がないとされてきた若者層を含め、想像を絶する数の人々を動員した「オバマ現象」を巻き起こしたカラクリを探り、「オバマ現象」と呼んでいるものの正体を解明する。また、そこから導き出される原理・原則を、ビジネスパーソンの日々の課題解決に資するチカラとしてヒントを提示する。