出版社コメント情報
日々は、繋がっていく。世界は、広がっていく。大学の課題。抜きん出た作品として紹介されるのは、自分の絵だと確信していた。なのに……。清水あやめは、田辺颯也(そうや)が製作した三分間のフィルムに、生まれて初めて圧倒的な敗北感を味わう。「私は何になりたいのだろう。どこへ行きたいのだろう」やるせない感情に襲われた彼女の耳に飛び込んだのは、底抜けに明るい田辺の声だった――。(「しあわせのこみち」)恥ずかしさと、息苦しさと、駆け出したくなるような衝動。あの頃のすべてが詰まった、傑作青春小説全4編を収録!