出版社コメント情報
生命とは何か? かつて多くの賢者が考えあぐねてきたこの根源的な問いに、私たちはいまだに答えることができません。ならば、極端な「エッジ」を眺めてその本質をあぶりだしてみよう、というのが本書の出発点です。超高温、超高塩分、強度の放射線、強度の重力……過酷な環境をものともしない「極限生物」たちの驚異的なたくましさは、過剰としかいいようがありません。ヒトの致死量の1000倍以上の放射線に耐えるやつ、地球上に存在しない強烈な重力に耐えるやつ…思わず「その能力、いらんやろ?」とツッコみたくなります。わずか1マイクロメートルほどの微生物にすぎない彼ら、小さなチャンピオンたちを見ていると「いったいなぜこんな進化をとげたのか?」という疑問にとりつかれ、「生命」がますますわからなくなってきます。そして、人類は本当に地球でもっとも進化した生物なのかどうかも、怪しく思えてきます。地球最強の生物は「ハロモナス」かもしれません!しかし、実はこの「わけのわからなさ」にこそ生命の本質があります。酸化も還元もしない「不安定な炭素化合物」であるにもかかわらず、生命が地球上で40億年も続いてきた謎の答えがあるのです。なぜ宇宙に生命ができたのか? これから私たちはどう進化していくのか? 次々に突きつけられる問いを考えていくうちに、生命についての見方がまったく変わってしまう経験があなたを待っています。世界中の極限環境を歩いた「科学界のインディ・ジョーンズ」の面目躍如、文句なしに面白くてエキサイティングな生命論です!