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国に守られ、政治家と癒着し、甘い汁を吸って世界に大きく羽ばたいた“国策”企業。その内実は、親方日の丸体質が染み付いた、危機感欠如のデタラメ経営そのもの。25年前の御巣鷹山事故が、内部に溜まった腐敗を一掃する絶好のチャンスだったが、なにひとつ手は打たれなかった。高給をヌクヌクと享受する社員は派閥抗争を繰り返し、保身に走る経営陣は為替取引で失敗し、抱え込んだ巨額赤字をひた隠す。度重なる運航トラブルで乗客のJAL離れが進み、2010年1月、とうとう2兆3000億円もの負債を抱えて倒産した。59年間にわたる堕落ぶりを描いた、組織と人間のドキュメント!