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12世紀末、日本が古代から中世へと大きく転換した時代に頭角を現した平家は、たちまちに権力の座に就くものの永く維持できず、東国の源氏勢によって急速に滅ぼされる。この平家一門の栄華と滅亡を軸に、歴史過程を物語ったのがこの『平家物語』である。「おごれる人も久しからず」――権力を握った平清盛の専横は、平氏一門の運命を栄華の座から滅亡へと転回させる。東国の源氏がついに決起し、清盛は福原への遷都を断行。そして頼朝を追討せんと富士川に赴くも、あろうことか敵前逃亡。ついで木曾義仲も挙兵し、平家に危機が迫る。そして清盛は、自らの体で湯が沸くほどの熱を発して、ついに――。疾風怒濤の歴史をたどる『平家物語』は、日本史上もっともあざやかな転換期の全容を語る叙事詩であり、民族的遺産といえるものである。かつて刊行された講談社学術文庫『平家物語』全12巻を4冊にまとめ、新版として刊行。第二巻は巻第四から第六までを収録。