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上司からパワハラを受け、仕事を辞めた結真は、生まれ育った長崎へ戻ってきた。 仕事を探さねばと思うものの、身も心もまだ疲れたままで、母と二人の生活もどことなく居心地が悪い。東京行きを応援してくれていた叔母の形見、顔のないマリア観音をそばに置くようになって以来、なぜか悪夢を見始める。 そんな結真を心配した母が『古かにまつわる問題ば解決してくれる』骨董店・一古堂へ、勝手に相談の予約を入れてしまう。しかたなく一古堂を訪ねた結真は、「古物の声が聞こえる」という店主・司とともにマリア観音の来歴を調べることになるが…? 世界遺産登録で注目を浴びる長崎を舞台におくる、不思議な青年が営む骨董カフェへ集まる人々の物語。