出版社コメント情報
平凡なお母さんなんて、きっとどこにもいない。妻で、母で、娘で、そしてたった一人の「私」だった。ある女性の人生を遡ってたどる、感動の連作集。愛する妻の死後、楽しく暮らすことに後ろめたさを覚える夫。(「はちみつ」)「私はあなたのお母さんじゃない」恋人の言葉が忘れられない次男。(「もち」)義母に嫌われているのではないかと悩む長男の婚約者。(「ははぎつね」)母・道子の人生は"平凡"な、どこにでもあるものだったのだろうか──? 道子の死後から少女だった頃まで、その人生を遡る。七つの視点で綴られた感動の連作集。