出版社コメント情報
いまを生きるジュニアたちに贈る日本史全集大晦日の晩、亭主を騙していたことを告白し、詫びる女房。その気持ちを思いやり、感謝する亭主。落語『芝浜』は夫婦の絆を鮮やかに描き、年末の落語の筆頭に挙がる噺だが、『芝浜』をここまで大きくしたのは、ひとえに三代目桂三木助(1902~1961)の功績といってよいだろう。博打に明け暮れて一時は落語家を廃業。ふたまわり以上年下の仲子夫人と出会って心機一転。『芝浜』で芸術祭奨励賞に輝くも、がんに倒れ、3人の幼子を遺して昭和36年、58歳でこの世を去る。その人生は、半ば伝説のように語り継がれているが、これまで、三木助の全集は世に出ていなかった。本書は、2011年1月16日で没後50年を迎えるのを機に、初めて世に出る三木助のCD全集である。CD16枚に、現存する三木助の落語音源すべて(40演目46席)を収録。『近日息子』『鉄拐』『蛇含草』『一本刀土俵入』など、初商品化19席を含む。落語家の個人全集をうたう商品は少なくないが、全音源を網羅した真の「全集」は空前絶後。138頁の書籍には、仲子夫人、立川談志らのインタビュー、詳細な音源解説を掲載。三木助58年の生涯すべてが、この一冊に詰まっている。