出版社コメント情報
1990年秋に刊行した『月光浴』は、史上初めての満月の光だけで撮影された写真集としてベストセラー写真集となり、現在10万部を超える売れ行きとなっている。「月光浴」という言葉は、すっかり定着し、月ブームを引き起こした。その後、写真家・石川賢治氏は『新月光浴――神の降りた夜』を集英社より刊行し、継続して、満月の光による撮影を続けている。今回の『大月光浴』は、霧、川、滝など、水の気配の濃い写真で構成された、中国の水墨画をイメージさせる写真集となっている。霧にかすむ岩山、岩の間を流れる川、巨大な滝など、静かな中にも夜の地球のダイナミックな美しさに満ちている。ほとんどの写真は中国で撮影されているが、最後のカットは鳴門の渦潮を満月の光で撮影したものである。版型はB4(257×364センチ)という大判で、見開き写真は、圧倒的な迫力をもって見ることができる。大風景とともに、花やキノコや竹などの植物写真も入り、月を詠んだ漢詩(原文と和訳)とあわせて、悠久の時間を感じさせるように編集してある。『月光浴』の10万読者はもとより、新しい読者を獲得するに足る新鮮な内容となっている。