ニーノ・ロータがピアノ学習者のために書いたオリジナルのピアノ曲集です。　「山猫」や「ゴッド・ファーザー」など、何と１５８本の映画音楽を書き、あまりにもこの分野で世界に知れ亘る作曲家ニーノ・ロ？タ。しかし彼が多数の素晴らしい純クラシックの作品を残しているのを知る人は少ないでしょう。実は彼の本質は純クラシック音楽にあったのです。事実彼は「本職はクラシックの作曲家であって映画音楽は楽しみで書いている」と言っており、その作品にはピアノ曲、その他の器楽曲、協奏曲、交響曲、室内楽曲、宗教音楽、バレエ音楽、オペラなど幅広い音楽が残されています。それらの殆どがチッコリーニ、ミケランジェリ、ガッゼッローニ、ロストロポーヴィッチ、ペトラッシ、イ・ムジチなど著名な演奏家によって委嘱されたり、初演されています。またオーケストラ作品もジュリーニ、ムーティ、ジェルメッティ、シャイイ、フェッラーラ、フリードマン等の名指揮者によって演奏されています。また、彼はピアニストとしても素晴らしい才能を持ち、若い時からソロ活動もしています。　１９９５年２月ヴェニスにニーノ・ロ？タ財団が発足し、放置されていた楽譜や膨大な数のメモや書類の整理と研究が進み、あまり目を向けられていなかった純クラシック分野の出版、録音やコンサート等の発表により、人間ロ？タとその音楽が次第に明らかになってきています。ここに収められている２つのピアノ作品もその貴重な一つです。　初級から中級程度のベルカントの宿るイタリアのピアノ曲ですから、レッスンや発表会、またコンサートの新しいレパートリーに、そしてピアノ愛好家の方々に是非お薦めしたいピアノ小品です。