ピアノのための新しい作品のシリーズ“２１ＳＴ　ＣＥＮＴＵＲＹ　／　ＰＩＡＮＯ　ＭＵＳＩＣ　ＲＥＰＥＲＴＯＩＲＥＳ”（２１世紀のピアノ音楽レパートリー）の第一号で、伊左治直がピアノ・ソロのために書いた４つの短い作品《舟歌》（１９９６年），《魔法の庭》（２００１年），《夢の散歩》，《子守歌》（共に２００２年）が収められています。　この中の２曲《舟歌》と《魔法の庭》は、作曲者の友人のひとりであるピアニスト、近藤嘉宏により録音され、アルバム「ピアノ・ハートフォー・ジ・アース」（Ｐｈｉｌｉｐｓ．ＵＣＣＰ－１０３３）に収められています。　‘ゆるぎない“うた”になることを願って…’と作曲者が言うように、この４曲は、いわゆるヒーリング・ミュージックの種類にも入る親しみやすい曲調で書かれています。しかし作品は、ピアノのための癒し系音楽という範疇に留まることのないもので、演奏者の自由なアーティキュレーションの解釈はもとより、様々なイメージを反映した演奏の可能性の探求ということを作曲者は希望しています。　これまでにも《舟歌》は無伴奏混声４部合唱、《夢の散歩》はフルートとアンサンブル、《魔法の庭》はヴァイオリンとピアノと打楽器、というように、その時集まった演奏家たちに合わせて編曲されてきました。また、あるチェリストは、全曲をチェロとピアノ用にアレンジして演奏しています。