いずれの曲も情熱的で民族色豊かなダンスのリズムやサウンドが生かされたアルベニスの作曲スタイルが顕著に表れた作品です。レッスンや発表、コンサートのプログラムやアンコールに最適です。　［難易度］中級程度（ブルクミューラー２５，チェルニー３０番導入程度から）のピアノ学習者なら、たやすく取り組むことができます。　●「スペイン」（６つのアルバム・リーフ）Ｏｐ．１６５　この作品には”Ｓｅｉｓ　Ｈｏｊａｓ　ｄｅ　Ａｌｂｕｍ”ｐａｒａ　ｐｉａｎｏという副題が付いており、その名が示す通り６つの色彩豊かな性格的小品です。２曲目の「タンゴ」は彼の全作品中最も人気の高い作品で、ピアノ以外の楽器や管弦楽曲など様々に編曲されています。レオポルド・ゴドフスキー（１８７０－１９３８）による管弦楽用の編曲は世界的に有名です。　●「スペインの歌」Ｏｐ．２３２　５つの性格的小品からなり，それぞれのタイトルからムーア人（アラブ人の俗称）の”楽園”であるアンダルシア地方の体質を象徴しているピアノ作品です。この作品はスペインの世界的ギターリストＡ．セゴビアのギター用編曲によって広く知られるようになったため、一部の音楽愛好家の間ではギター作品と思われているようですが，このピアノ曲がオリジナルです。作品の前半３曲は３０才，続く２曲は３７才の作品で，アルベニス創作活動初期における音楽表現の輪郭を垣間見ることができます。第１曲目の「前奏曲」は〈アストゥリアス〉の名で世界中の音楽愛好家に親しまれています。