出版社コメント情報
私たちは今、情報テクノロジーの発展や、あるいは遺伝子操作などのバイオテクノロジー革命など、目覚ましい技術革新の時代に生きています。AIの発展や仮想通貨の登場のみならず、新型コロナウィルスの世界的流行では、中国を筆頭にスマートフォンの位置情報を利用した「データ監視」が現実のものとなりました。あるいは、ノーベル化学賞を受賞した「クリスパー」はゲノム編集にとって大きな発見です。私たちの社会や生命を変えうる「テクノロジー」と、どのように向き合うべきか――。振り返れば、人類はその誕生からあらゆる「テクノロジー」を利用することによって生き残り、社会を形成してきた経緯があります。石器や言語、文字に書籍などあらゆるメディアのもとに、人類史は築かれてきました。同時に、哲学者はいつの時代でも「技術」について、「技術」とともに思考を展開してきました(アリストテレス、カント、ヘーゲル、フロイト、マルクス、ニーチェなど)。人類史を形成したテクノロジーの歩みと、その考察を続けてきた哲学者の歴史を総覧し、21世紀以降、私たちが生きる未来を考察します。AI、遺伝子工学、デジタル監視社会、ビッグデータ、ポスト・ヒューマン、仮想通貨、IoT、ポスト資本主義……人類はどこへ行くのか? 石器に印刷術、デジタル経済圏まで「技術の哲学」で読み解く人類全史。