出版社コメント情報
「”弱く”なりたいと思うのって、そんなに悪いことですか?」Z世代から厚い信頼を集める著者が、〈弱さ〉アピールのはびこる現代のリアルを優しくあぶり出す会心の一作!映画化もされた『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』、「王様のブランチ」で特集され、新聞・雑誌からインタビュー依頼が殺到した『きみだからさびしい』など、〈アップデートされた価値観〉で描かれる若者像は繊細かつエモーショナルで、同世代の読者から大きな共感を集めています。■「全肯定インフルエンサー」と主人公が謎の事件を追う今作の象徴的な登場人物が、主人公の親友で人気YouTuberのリリ。視聴者の悩みを聞き、その〈弱さ〉をすべて受け入れ優しく肯定してくれる「全肯定インフルエンサー」としてファンのメンタルを支えるという、非常に今っぽいキャラクターです。主人公・琴美もリリの優しさにどっぷりと浸かっていたのですが、ある奇妙な事件が起きて琴美の想い人が失踪、その謎を追うなかでリリに対する認識が変わっていきます。ミステリー仕立てな表筋の裏で進行する真のテーマに、深く心を揺さぶられること間違いなし。■あらすじある日、知らない間に “チワワのピンバッジ” が付けられていたという呟きがネットに溢れた。その数、なんと800人以上!主人公・琴美の想い人も、被害者のひとりだった。そして、〈チワワテロ〉と呼ばれるこの奇妙な事件の直後、彼は姿を消してしまった。「僕のことはもう信じないでくれ」とメッセージを残して--。どうして彼は姿を消したのか?リリの助けを借りて彼を捜索し始めた琴美は、かつて起きた暴露系YouTuberによる悲しい事件のことを知る。