出版社コメント情報
●主な登場人物・榊原准(20代後半)……下町の警察署の生活安全係の刑事。警視から警部に降格。何か大きなミスをやらかしたらしいが本人は決して口にしない。警察庁から所轄に来るって珍しいと言われるが、その理由について決して口を割らない超エリート。現場経験はほとんどない。しかし「下手に現場を知らない方が正しい推理が出来る。『岡目八目』と言うでしょう?」と開き直っている。いろんな「しがらみ」を因習と喝破して、あくまで正義を貫こうとする。「それが警察でしょう?違いますか?」・小言幸兵衛のような、なまじっか頭のめぐりが良いのでどんどんと先へと妄想が膨らんで、まわりをてんやわんやさせる。・榊鋼太郎……地元の整骨院の院長。私人逮捕マニア・楠木太一……地元の居酒屋の大将。世話好き。・小牧果那……鋼太郎の整骨院の受付の女の子。元ヤン。・女子高生トリオ(ケバい純子、おとなしいかおり、真面目なメガネ女子瑞穂)・鋼太郎の別れた妻(弥生)・鋼太郎の娘(俊子・鎌倉在住)・鋼太郎の息子(浩次郎・大学生)。何故この男が左遷されたのか、その謎と、本庁復帰が成るかどうかが、もう一つの縦糸になる。単純に見えるローカルな街の犯罪にも、奥深い闇が顔をのぞかせることがある。榊原にとってそれは、新鮮な驚きであった……。警官がモグリの副業で性風俗店(ガールズバー、恋人代行サービスでも可)を経営しているとのタレコミが。 調べてみると本当だった。しかも大繁盛している。同僚が観て見ぬフリをしていて、それをいいことにかなりのサービスをやって評判だった……。 その警官は、仕事は真面目で警察情報をヤクザに流している形跡はない。「本人にはやんわりと説得するから、事を荒立てないで欲しい」と榊原は言われるが、彼は納得出来ない。 しかし、そのその風俗店で、風俗嬢の殺人事件が発生。「ドイツで起きた『フリッツ・ホンカ事件に似ている』と榊原。彼の頭には世界中の猟奇殺人事件がデータベースのように入っている。「婆さんの売春婦の連続殺人に似ています!」「いやしかし、今回の風俗嬢はまだ28だぞ。婆さんというのはひどい」「仮に犯人が若者なら、28歳という年上の女は婆さんでは?」 やがて、犯人らしい男が身柄を確保される。18歳の高校生で、はからずも榊原のプロファイリングが当たった。 __人格障害を装う犯人と榊原の攻防