出版社コメント情報
好評「南アルプス山岳救助隊K-9」シリーズ第7弾。 山はいつだってここにある――。北岳でさまざまな人々の想いが交錯する。 人と犬、人間と人間の相棒小説。大自然が舞台の山岳冒険小説。警察小説。そのすべてを兼ね備えているのが、〈南アルプス山岳救助隊K-9〉である。――文芸評論家・西上心太氏(解説より) 南アルプス・北岳を舞台に、山岳救助隊員と相棒の救助犬の活躍を描く2篇を収録。【文庫書き下ろし】 「リタイア」南アルプス山岳救助隊の星野夏実と神崎静奈は、かつて北岳で事件に遭遇したアイドル・安西友梨香のライブ帰り、若者にからまれていた初老の男性を助ける。男は作家の鷹森と名乗り、次回作は山を舞台にした作品を構想中だという。半年後、友梨香と鷹森が偶然同じ日に北岳を訪れた。二人は夏実と一緒に頂上を目指すが、途中、捜索のため夏実と別れることに。二人きりの登山行は果たして……。 「孤高の果て」息子が山で亡くなったのは山岳救助隊の責任だと、両親が訴訟を起こした。困惑する隊員たち。なかでも現場に最初に駆けつけた隊員の関は責任を感じ、事件を再検証する。だが、なぜか突然相手は訴訟を取り下げ、一同は安堵する。それからしばらくして、母親が北岳御池の警備派出所を訪ねてきた。関に現場を案内してほしいという……。