出版社コメント情報
近年、戦後世代のシニアを対象として、かつての「歌声喫茶」を再現するイベントなどを紹介する記事を、新聞やTVなどで目にすることが多くなった。戦後生まれのシニア世代が続々と定年を迎え始めた社会状況を考えると、今後「歌」を仲立ちとするイベントで使用される新たな「歌集」の需要を掘り起こす好機ではないかと思われる。「抒情歌集」「青春賛歌集」などは、既に多くの歌声サークルで使われ定着してきているが、歌うためのグループに所属しているわけではない一般の方々にも親しみが持てるように、今回は従来のフォーマルな選曲に加えて「歌謡曲、演歌」といった、シニア世代が時代の急速な流れの中で歌い親しんだ曲にも焦点を当てた。 この曲集では、戦後8年近くが過ぎようとする昭和28年頃から歌われてきた歌謡曲を取り上げた。当時は有楽町にもまだ闇市の面影が残り、今日の賑わいには程遠い時代だったが、その後日本は飛躍的な発展を遂げながら平和と繁栄を築くことになった。その日本人の心に寄り添い、喜びや悲しみを共にしてきた歌こそ、新しい時代のこれらの「歌謡曲」ではなかっただろうか。曲目は、NHK国民投票1700万票集計の上位曲の中から「ヒット歌謡曲」として取り上げた曲と最近の未来への<愛と希望>を歌う曲を加え計18曲とした。またこれらのヒット歌謡曲がシニア世代の震災復興へ向けての、それを支える<希望と勇気>を甦らせるための大きな励ましや慰めとなるであろう。