小鳥になりたい／蝶になりたい／魚になりたい／部屋の隅っこの塵でもいい／人間以外の別なものになってしまいたい／人間は難しすぎる／人間は…（本文「言い訳」より）。やさしい色調の表紙を開くと、３６編の詩に出会う。風になった君、なくしてしまった希望の行方、見つからない幻の花、あなたの背中の翼……。ピュアな感性が柔らかな言葉のカプセルとなって、まるで時の砂浜に打ち寄せられるかのように本の形になった。愛について、人間について、さまざまなことを考えさせられ、深い味わいが魅力の詩集。