大学教育にグローバル化が求められる昨今，理科系でも英語による授業が推進され，多くの大学で実施されている。本書は，学部生を対象とした熱力学の基礎を英語と日本語で書いた，まったく新しいタイプの教科書である。ページを開くと左側に英語による記述，右側には同様の内容を日本語で説明している。英語だけ，あるいは日本語だけを読んでも，これまでの熱力学の本とはひと味違い「なぜそうなるのか？」をポイントにした熱力学を学ぶことができる。式の暗記などに頼らずに，物理の本質を学べるような内容にした。日本語と英語の両方を使うことにより，　（１）英語の授業のわからないところを日本語の説明によってカバーすることができる，　（２）英語をもっと学びたい学生や留学を希望する学生が理科系で用いられる英語を学ぶことができる，　（３）留学生が日本語での授業の理解に役立てることができるなど，　様々な場面で役立つことが期待される。