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伊勢、出雲、鹿島、靖国…そこには壮大な「意図」と「仕掛け」が表されていた――「八百万(やおよろず)の神」と言い表されるように、日本には多様な神が祀られている。元来、神社には神の家である本殿はなく、神奈備(かむなび)あるいは三諸(みもろ)と呼ばれる山や、神籬(ひもろぎ)と呼ばれる木、磐座(いわくら)と呼ばれる石などで祭祀を行い、そこに神が宿ると信じられてきた。いいかえれば、自然そのものに神が融合していた。
このような自然=神といった概念は、どこからきたのだろうか。
本書は、神社の系譜を考える上で従来はあまり用いられなかった「自然暦」という視点を取り入れ、新たな切り口から神々の系譜について考える。