出版社コメント情報
レオナルド・ダ・ヴィンチの絵は、いまから500年も昔の、イタリア・ルネサンスの作品で、ピカソは20世紀初頭の現代絵画です。まったく違った時代に描かれ、絵としてのスタイルも違っているふうに思えます。しかし、構図は同じなのです。どちらも「絵画」ですから、そこには絵画を成り立たせている共通の要素をみつけることもできます。「違い」や「差異」を探すのも、一つの見方ではありますが、「共通するもの」を探すことで、絵画の根本原理のようなものが見えてくる。 「構図」は、絵画に欠かせない要素であり、それはダ・ヴィンチの絵にも、またピカソのような子どもの殴りがきのような絵にも、あるのです。子どもの絵には、ピカソのような、明確な構図はありません。ピカソは、子どものように描きましたが、子どもはピカソのようには描けないのです。なぜなら、ピカソの絵には、思いつきではなく、冷静に考えられた、構図があるのです。 (本文より一部改変して抜粋)