出版社コメント情報
通常の居酒屋ガイドは、つまみの種類と品質、飲物のメニュー、そして価格に焦点を絞っているため、私にはどうしても物足りなく感じられる。もちろん、ありがたい情報も提供してくれるのだが、居酒屋という多面的な場の、いわば〈消費〉に付随する側面しか重視されていないと、不満に思うわけである。「居酒屋は味と価格だけではない、五感をもって満喫する場所である」というのが私の持論である。さらに、「居酒屋は〈味〉よりも〈人〉である」と確信している。(中略)では、居酒屋は酒とつまみ以外に、何を提供しているのだろうか。この問いを発しないと、私は日本の居酒屋の真の魅力を突き止めることができないと考える。(本文より)