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本書は、これまでナゾの多かった草創期の日本のテレビCMについて、数々の発掘資料からその実態を明らかにしていこうとするもの。「広告は時代を映す鏡」とよく言われる。これまで、広告に埋め込まれた時代感覚を読み解くいくつもの広告文化論や広告社会論が出版されてきた。本書もその系譜に連なるものの、類書とは決定的に異なり、本書では徹底して「無名」な作品に光を当てる。「最古」かつ「無名」のCM――。こうした作品たちを歴史の奥から掘り起こし、輝かしい名作の系譜からは見えてこない「もうひとつのテレビCM史」を綴る。