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大帝国・北窯の第一皇子である天焔は、軍を率いて十年間、負けなしの軍功を重ねてきた。聡明な指揮官として配下の信頼も篤く、次期帝の呼び声も高い。そんな天焔は、流浪の民である華翡族を討伐するため隣国へ赴く。駐屯して数日後、天焔は泉で気を失っている少年を発見する。それは華翡族の子で、災厄を予見する“読み子”と呼ばれる存在らしい。凪という名のその少年と残りの華翡族を捕らえた天焔は、「災厄を読む力を使って我が軍に功績を与えよ」と命じる。一族のため言われるまま力を使う凪だが、潔い覚悟だと思う一方で、天焔は抗うことをしない凪の生き方に興味を抱くようになる。さらに、凪の力はその代償に己の命を削る行為だと知り…?