出版社コメント情報
2018年度、児童相談所への児童虐待の相談件数は15万9850件にのぼり、前年度から2万6072件増加して、過去最多を更新した(厚生労働省)。ニュースで虐待死事件が報じられるたびに、人々は親の鬼畜ぶりに怒り、児童相談所や教育委員会、学校の手落ちを批判する。しかし私たちは、児童虐待に4種類あることすら知らない(本書16ページを参照)。なぜ「虐待」や「育児困難」は増えるのか。どうすれば子どもたちを救えるのか。■「完璧なママ」を演じようとして「虐待ママ」に ■特別養子に出したのは「たぶん、客の子」 ■子供とローンだけが残ったシングルマザー ■「この子と一緒に死ぬ」が口癖の女性 ■DV連鎖 ■毒親の支配――母は覚醒剤の密売人 ■児童相談所と「親子再統合」への道のり 市井の人々のドラマを描きつづける著者が、リアルな事案24例を多面的に掘り下げ、社会病理の構造を浮き彫りにする。石井光太ノンフィクション作家、小説家。1977年東京都生まれ。日本大学芸術学部文芸学科卒業。国内外の貧困、災害、事件などをテーマに取材・執筆活動を行なう。作品はルポ、小説のほか、児童書、エッセイ、漫画原作など多岐にわたる。著書に『「鬼畜」の家』(新潮社)、『虐待された少年はなぜ、事件を起こしたのか』(平凡社)などがある。