出版社コメント情報
同姓同名の2人の女、謎の貿易会社、ノンフィクション作家の殺害…… 十津川警部、横浜の難事件に挑む! 沈黙の墓碑銘は何を語るのか? 著者のことば ヨコハマの外国人墓地に行き、さまざまな形の墓石を見る度(たび)に、ここに眠る人たちの子孫は、今、何処(どこ)に住み、何をしているのだろうかと思う。 今は、母国に住み、命日には、花束を持って、ヨコハマにやってくるのだろうか。それとも、子孫の方(かた)が、今もヨコハマに住み、毎日、外国人墓地に花束を捧(ささ)げているのだろうか。 私は、外国人墓地に行く度に、さまざまな空想のとりこになってしまう。たぶん、他の墓地とは違った独特の雰囲気を持っているからだろう。 警視庁捜査一課の西本(にしもと)刑事は、相談があるという大学の同窓生篠塚美奈(しのづかみな)に会うため、横浜の外国人墓地に赴(おもむ)いた。だがそこで待っていたのは、女性の刺殺体だった。所持していた免許証から、被害者は篠塚美奈と判明。 しかし、西本の知る美奈ではない。同姓同名の女性が偶然殺害されたのか?西本は現場となった墓地を調べ始める。一方、東京・新橋(しんばし)ではその墓地に眠る女性の親族が殺害され、十津川(とつがわ)警部が出動。やがて巨額遺産の存在が浮上する。2つの事件の関係とは?殺された女の正体は?十津川の推理が冴(さ)える!