出版社コメント情報
姿を見せぬ犯人への挑戦状―― 十津川警部が仕掛けた 3つの罠! 鉄道模型の第一人者が刺殺された 現場で燃やされた“ジオラマ”は何を語るのか? 人気の模型作家・小島英輔(こじまえいすけ)が多摩川(たまがわ)で刺殺された。傍(かたわ)らには3年連続でコンテスト優勝を狙う出品作「転車台のある風景」の燃やされた痕跡が。十津川(とつがわ)警部は独自捜査を開始、ジオラマのモデルとなった転車台のある天竜二俣(てんりゅうふたまた)駅に飛んだ。そこでは、2ヵ月前、小島が密(ひそ)かに想いを寄せる女性が突然死していた。2つの事件には関連が?やがて不審な男の影が浮上するが、正体は掴めない。事件解決の鍵は燃やされたジオラマにあると考えた十津川は、犯人をあぶり出すため罠(わな)を仕掛けた……。十津川の推理が冴(さ)える傑作推理! <著者のことば> 戦前、日本各地に、円形の転車台があったといわれる。車両をその上にのせて、方向を変えさせる設備である。今も、立派に動いている所があるというので、天竜浜名湖(てんりゅうはまなこ)鉄道の天竜二俣(ふたまた)駅に取材に出かけた。1940年(昭和15年)製造の転車台は、今も立派に生きて輝いていた。こんな時、いつも感動するのは、SL復活の時と同じように、名物の保安係のおやじさんがいることである。ここでも、おやじさんが、ニコニコ笑いながら、70年たった転車台を、動かしてくれた。