出版社コメント情報
からくり人形vs幻術! 幻工師(げんこうし)、それは幻を操り、 万物を現出させる者── 妖女に見初められた結婚詐欺師を救うため、 〈新宿〉・東北を舞台に大暴れ!? 〈著者のことば〉 〈新宿〉の住人が颯爽(さっそう)たるヒーローばかりとは限らない。むしろ、悪党──根性悪の方が圧倒的に多いだろう。いつかそういう連中を、主役で扱いたいと思ってきた。 『幻工師ギリス』は、悪党小説である。読者が、自分に似てる、と思ったら、成功の証(あか)しなのだ。 〈魔界都市“新宿”〉で最も優秀な結婚詐欺師(さぎし)・鷺尾真吾(さぎおしんご)は“からくり人形”を使役(しえき)する東北の謎の一族の女当主につけ狙われた。自分と結婚をしなければ周囲を不幸にする、と背(そむ)く者は首を落とすという術をも使って鷺尾に迫る女。窮余の一策、鷺尾が頼ったのは痩(や)せたキリギリスのような男・ギリス。幻を使うことで本物以上のものを作りだせる「幻工師(げんこうし)」だった。2人は執拗(しつよう)な求婚と追跡から逃げ切ることができるのか。そして〈新宿〉を狙う一族の目的とは!?