出版社コメント情報
超人気シリーズの短編集! 希望、切望、渇望……。それは美しき魔人を包む一瞬の夢。闇の光が照らす街〈新宿〉魅入られた男と女が迷い込む……。〈著者のことば〉 誰かから、〈魔界都市〉には〈愁(うれ)いの鏡〉があると聞いた。それは〈新宿〉のあちこちに秘匿(ひとく)され、その存在に気づくのは、映し出された者たちだけだという。何故(なぜ)か彼らは、みな愁いに満ちている。そして、一瞬、奇蹟(きせき)のように、同じ顔になる。秋(あき)せつらの顔に。愁哭(しゅうこく)の章とは、そんな短編集である。2年前、秋(あき)せつらの傍(かたわ)らを、偶然、通り過ぎただけの白い貌(かお)であった。〈区外〉のOLが似合う普通の娘──冴葉理江(さえばりえ)22歳。〈新宿TV〉が彼女の殺害を報じるや、せつらは動いた。依頼人のない身辺調査だった。誰を捜し、何を知りたいのか。それは美しき魔人の恋なのか? 理江が〈区外〉の追手を逃れ、〈四谷(よつや)〉のバー〈れんげ草〉に潜伏していたことが判明。さらに、追跡者の意外な正体が明らかになった時、妖糸は切なく一閃(いっせん)した!(「すれ違った天使」より)。哀切と奇蹟(きせき)の人気シリーズ!