出版社コメント情報
元警官&ロボット探偵が挑む連続殺人! 絶海の孤島の秘密研究所で発生した惨劇 凶行は謎の怪盗(ペイパーカット)の仕業なのか──? 『ブギーポップ』の著者が贈る! “ソウルドロップ”シリーズ、Episode0誕生 〈著者のことば〉 あなたが過去を振り返るときはどんなときだろうか。現在に疲れたときか、あるいは未来がみえなくなったときか。しかし良い想い出ならまだしも、浮かんできた記憶がさらに苦しいものだったりすると、どこに逃げればいいかわからなくなって息苦しくなったりしないだろうか。そして嫌な想い出ほど何故(なぜ)か、とても鮮明で脳裏(のうり)にこびりついていたりして──これは過去に起きてしまったことに振り回され、押し潰(つぶ)されそうになる人々の物語である。生命と同価値の物(キャビネッセンス)を見つけることができずに、行き場のない気持ちに封鎖された彼らは脱出不能の孤島に集められ、真実との対峙(たいじ)を強制される。その果てにあるのは何故か出来損(そこ)ないの“人形”で……。 絶海の孤島アルバトロスの秘密施設。そこは一枚の紙切れで生命を奪う謎の怪盗ペイパーカットに遭遇し、九死に一生を得た人々を収容した研究所だった。元警察官・伊佐俊一(いさしゅんいち)もまた怪盗に負わされた傷を癒(いや)すべく、島を訪れた一人。人に言えない過去を持つ患者ばかりの、不穏な空気が漂(ただよ)う所内で、ついに連続殺人が! 次々に生(い)け贄(にえ)となる患者たち。犯人とその目的は? スパイの存在も囁(ささや)かれる中、容疑は伊佐に向けられた! 後遺症の幻覚に襲われながら、独り不可解な事件に挑む伊佐が掴(つか)んだ驚愕の真実とは!?