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各界が絶賛した全五十四帖 現代語訳の決定版、待望の文庫化!2013年毎日出版文化賞特別賞受賞作品源氏の兄・朱雀院は出家を願うが、気掛かりなのは娘女三の宮の行く末だった。思案した朱雀院は、源氏に託すことを決める。40の賀を盛大に祝った源氏に、女三の宮が正室として降嫁、紫上の苦悩が始まる。衛門の督(柏木)は垣間見た女三の宮に恋慕を募らせる。華やかな六条院に射す翳り――。源氏、39歳から47歳までを描く。解説・池澤夏樹。◎謹訳とは――題して『謹訳 源氏物語』としたのは、原典の持つ深く豊かな文学世界を、忠実謹直なる態度で解釈し味わい尽くして、作者の「言いたかったこと」を、その行間までも掬い取りたいという思いを込めたのである。(林望)