出版社コメント情報
“鶴の一六四二番”に、いわく有り。手にした者に訪れる死、富くじの謎(なぞ)とは?真相に気付いた男たちは一攫千金(いっかくせんきん)を目論(もくろ)む千両という高額な賞金が人気の、谷中大京寺(やなかだいきょうじ)の富くじに絡(から)む殺しが続く。富札(とみふだ)を財布ごと掏(す)り取った男は堀に浮かび、札を預かった小間物商は刺殺される。抽選前なのに、なぜ?札には何かいわくがあるのか?同じ頃、風烈廻り与力青柳剣一郎(あおやぎけんいちろう)は、陰富(かげとみ)と呼ばれる御法度(ごはっと)の富くじの取締りを命じられる。老中(ろうじゅう)からのお達しというが……。庶民の夢、富くじの背後に蠢(うごめ)く闇(やみ)を斬(き)る!