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春画家が思い、描き続けてきた兄嫁。本物はもっと淫(みだ)らだった。無垢(むく)な義弟に、美しく気高い武家の奥方が迫る!大身旗本(たいしんはたもと)永江(ながえ)家の妾腹(めかけばら)の次男藤丸(ふじまる)は、30歳にして無垢。武家の道を外(はず)れ、春画(しゅんが)を描き実入りを得ていた。ある日、長年劣情(れつじょう)を抱く兄嫁(よめ)の美津(みつ)に似せて描いた春画を、その美津に見られてしまう。すると、美しく気高い兄嫁は思いがけないことを――。春画を真似(まね)て、筆下ろしをしてくれたのだ。春画を商(あきな)う女将(おかみ)、小町(こまち)娘、大奥の女中……色香にまみれた愛欲の日々が幕を開ける。