出版社コメント情報
忘れちゃあいけないおれは取次屋栄三(えいざ)だよ誠実で評判の質屋の主から妻の不義疑惑をうち明けられた栄三郎は……。健(すこ)やかに成長する我が子に妻久栄(ひさえ)の笑顔。秋月栄三郎(あきづきえいざぶろう)は至福の日々を送っていたが、同時に物足りないものも感じていた。こんにゃく三兄弟の悩みを解決したりはするものの、一向に釈然(しゃくぜん)としない。ある日、人格者と評判の質屋の主(あるじ)から妻の不義調査の依頼を受けた。そしてはたと気が付いた。おれは取次屋なんだと。意気揚々(いきようよう)となる栄三(えいざ)だが、背後に闇が見え隠れして……。