出版社コメント情報
今さらどうして会いたいなんて言えるかい。大人気!立花平七郎の人情裁きがさえわたる。幼くして親に捨てられた娘が恩義を感じた商家の主夫婦。娘に与えたのは人の情けだったのか――。幼い頃、父母の喧嘩(けんか)が元で顔に火傷(やけど)を負ったお花(はな)。親に捨てられ奉公先でも揉(も)め事に巻き込まれて、今は御茶問屋「山城屋(やましろや)」の女中をしていた。絶品の御茶を淹(い)れるお花だが、店(たな)の奔放(ほんぽう)娘の後始末を押しつけられる。娘が逢い引き相手に祝言(しゅうげん)の事実を告げるや、逆上されたのだ。男は旗本家次男の札(ふだ)付(つ)きだった。立花平七郎(たちばなへいしちろう)はお花に忠告するも、主(あるじ)夫婦に恩を感じるお花は……。