出版社コメント情報
落日(らくじつ)の幕府を支えたご隠居たちの底力すでに枯れたと思っていた自分の心身に、これほどまで熱いものが残っていようとは──徳川の終焉を虹のように彩った、老御庭番たちの幕末史鳥羽伏見戦で薩摩の大砲を分捕る新選組(しんせんぐみ)の陰供(かげとも)の任に就(つ)くことになった、和多田主膳(わただしゅぜん)ら元御庭番(おにわばん)の四人組。瞬(またた)く間に盛名(せいめい)を轟(とどろ)かせた新選組だが、池田(いけだ)屋事件を境にやがて時代の流れに取り残されてゆく──。近藤勇(こんどういさみ)、土方歳三(ひじかたとしぞう)に武士の魂を見た主膳らは京(きょう)から会津(あいづ)、箱館(はこだて)までも同道し、共に戦い抜く。死出の花道を探すため、そして落日の幕府のため、時代と年齢に抗(あらが)い、隠居老人たちが死闘を繰り広げる!