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己をも欺(あざむ)き続け、危うい断崖(だんがい)に生きる女の儚(はかな)き純な恋。惚れ合う男女に凶賊の手が肉迫!北町奉行所臨時廻(きたまちぶぎょうしょりんじまわ)り同心(どうしん)の鷲津軍兵衛(わしづぐんべえ)と加曾利孫四郎(かそりまごしろう)らは、押込み一味の塒(ねぐら)に踏み込むも、最も凶暴な男を逃(のが)してしまう。己(おのれ)の失態で男を捕り逃がしたと落ち込む下(した)っ引(ぴき)の福次郎(ふくじろう)は、煮売り酒屋に立ち寄り、お光(みつ)という年上の酌婦(しゃくふ)と出会う。互いの素性(すじょう)を知らずに惹(ひ)かれ合うふたり――。だが、そんなふたりに暗い影が迫る! 軍兵衛と福次郎はお光を取り巻く闇(やみ)と対峙(たいじ)する。