『ナイト・キッドのホラーレッスン』シリーズ、第３弾。

悪夢（あくむ）の語り部（べ）　菊地秀行（きくちひでゆき）が贈る恐怖コレクション！　仮面のモンスター・ハンター登場！　呪われた物語が生んだ魔物を斃（たお）せ───　“僕は今も新しい異形の事件を求めて世界中を飛び廻っている。エジプトの大ピラミッドのそばで、おかしなコスプレを見つけたら、それが僕だ。氷雨（ひさめ）吹きすさぶ南極大陸で、犬橇（いぬぞり）を駆っているマント姿を見かけたら──僕だ。トランシルバニアの廃城（はいじょう）で、石の柩（ひつぎ）を動かしているのも僕だ。君たちに言っておくことは、常にひとつ……。世界は人間と常識だけで出来上がっているんじゃないんだ。だから、これをお勧めする。深夜、家族が寝静まってから、そっと彼らの寝室へ入り込み、その顔を手鏡に映してごらん。何が映るかはお楽しみだ。そして、君が映ったものに耐え切れなくなったら、僕に知らせてくれたまえ。いつだって駆けつける。僕の名はもちろん──ナイト・キッドだ”（本文より）　雨の放課後、傘屋（かさや）の前に立つレインコートの娘を、真吾（しんご）は長いこと見つめていた。腰までの黒髪と横顔だけで、都会から来た娘だとわかった──W県都蘭市（とらんし）。全国一降雨量（こううりょう）の多い土地の中学に、彼女が転校してきてから、怪異（かいい）ははじまった。街の倉庫で女子生徒の死体が発見され、原因不明の病気で休む同級生の身体（からだ）には悪夢の傷痕（きずあと）が！　あのモンスターの仕業（しわざ）なのか？　そして、級友（きゅうゆう）たちを危機から救おうと真吾の前に現われた仮面の若者とは？（「雨の転校生」より）「この世界は人間だけのものじゃない。人間の精神（こころ）が生み出した生きものも沢山（たくさん）棲（す）んでいる!?」菊地秀行が、ナイト・キッドとともに贈（おく）る、とっておきホラー・セレクション！