おすすめコメント
一歳から九歳までを児童養護施設で暮らした著者が 当時の思い出を丁寧に描いたノンフィクション・コミック。 傷付き励まし合いながら、世界の秘密の扉をひらいてゆく少女たち。 かつて子どもだったすべての人に読んでほしい胸に迫る物語です。
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<あとがきより>
幼いころは世界が大きくて、いつも顎が5センチ上を向いていた。
シスターや先生とお話するときいつもその顔の向こうに見えた空。
青い空があたり前すぎて空が好きとか嫌いとか考えた事もなかった子供時代。
でも、その当たり前の空が、オトナになってから思い出すと、とてもキラキラ輝いている。
オトナになったらもう見ることが無いと思っていた空。
ある日、私に話しかけてきたちびっ子がいた。
一生懸命さりを見上げて、さっき見つけた小さな大発見を語っている。
その瞳にね、さりのシルエットとその向こうの空が映っていた。
それは、さりがちびっ子だった時に見た風景と同じ空。
あの空がキラキラしていたのはちびっ子の瞳がキラキラしてるからとその時気がついた。
オトナになると大事なものが手の届く範囲にあるからあまり空を見なくなる。
でも、時々は小さな瞳に映る青い空を見てください。
そこにあなたはどんな顔して映っているかな。
どんな世界を子供に見せているかな。