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本書は、2012年4月に出版した「バテない体をつくる登山エクササイズ」(誠文堂新光社)の食事編になります。登山では、「バテ」ないために、しっかり「食事」をとることが大事です。とはいえ、山で摂る食事は、平地で摂る食事とはだいぶ異なります。水や食料はもちろん、調理器具や燃料まですべて自分で背負い、冷蔵庫だってありません。そんな環境下で、あれも食べたいこれも食べたいと手当たり次第に持っていけば、荷物が重くなりバテてしまいます。食べる前に食料が腐ってしまうことだってあるでしょう。つまり、制限のあるなかで、いかにエネルギー切れを起こさず、安全に、おいしいものを食べるかが「バテない体」につながるのです。本書では、「山ではなぜお腹が空くのか」という疑問から「登山に必要な栄養」について学ぶところから始まります。そのうえで、星の数ほどある食品のなかから「登山食」にふさわしい食べものを厳選。さらに、山で簡単につくれる「おいしい登山食」のレシピや携行・保存のテクニックまで、登山に役立つコツとアイデアを多数紹介しています。また、古来より食されている伝統食にも着目しています。ハイテク食品がめざましく進化する一方で、日本人の舌になじんだ味、冷蔵庫が普及しなかった時代の保存術から登山に応用できる技を取り上げています。食の好みは人それぞれ。山だからおいしく食べることをあきらめる必要はありません。本書をきっかけに、あなたにとっての究極の「登山食」を見つけてみてください。