出版社コメント情報
「茶」をとおして日本人の思考法に迫る、ユニークな日本文化論●本書は、外国の先進文化である「茶文化」を日本人がどのように受容してきたのか、 その歩みを跡づけることで日本文化の深層に迫るユニークな試論です。●全編を通じて繰り返されるキーワードは「異国ぶり」と「国ぶり」。 最初に中国から移植された「茶」はグローバリズムの象徴であり、 まさに「異国ぶり」そのものでした。やがて日本人の アイデンティティを自覚する「国ぶり」=「侘び茶」が成立しますが、 その後ふたたびグローバリズムとしての「文人茶」が登場します。●今日に至るまで「国ぶり」と「異国ぶり」は日本人の思考法の二大潮流であり、 そのせめぎ合いこそが日本人を形づくっているとさえ言えます。 本書は、先進文化の受容と相克を経て独自の文化を醸成させてきた、 この国の人々の心の物語でもあります。