出版社コメント情報
19世紀のロンドンに電柱は存在したのか。上空を覆うおびただしい数の架空線は、景観上から撤去されたのか。電燈線は、ガスとの競争を公平にするために地中化されたのか。こうした疑問に、多くの写真や図面、議会録、裁判などから検証する。巷に広まった通説を一新する、目からウロコの一冊。これまで誰に聞いても分からなかったことが、いま明らかになる。表紙の写真は1900年頃のもので、架空ケーブルを張る作業員が休憩している姿を捉えたものである。ロンドンが架空線撤去のために多額の費用を要したことを顧みれば、日本の各都市において最小限の地中線化と横断架空線の撤去は可能であろう。安心安全な道路空間創出のために皆が協力し、子供たちに誇れる未来を提供できるよう希望してやまない。