出版社コメント情報
とある町の小さなパチンコ店に勤める二十九歳の五郎は、お世辞にも「成功」とは言えない人生を送っている。また、常連客の宏夢も、なんとなく金を稼ぎ、なんとなく成功を目指しながら「なんでも屋」をしている。そんな五郎と宏夢のいるパチンコ店に、ある一冊のノートが置かれるようになった。それは、動物好きの常連客・弓子が作った「里親探しノート」である。拾われた犬猫の飼い主を見つけることが目的のノートなのだが、ある日、そのノートに奇妙なことが書かれるのを五郎が見つけた。「ネコは、ごはんを何日食べなければ死にますか?」この書き込みによって、五郎と宏夢はある事件に巻き込まれると共に、自分たちは「何のために生きているのか」という問題と向き合うことになる。その後も、ノートに書かれた不思議な内容により、二人は答えのない問題を一つ一つ解決し、成長していくのだが……。お金では買えない本当に大切なものを描いた、第一話「鳴かない猫」血縁よりも深い絆を描いた、第二話「絆のかけら」悲しみのその先にある再出発を描いた、第三話「透明のスタートライン」受け入れざるを得ない運命を描いた、第四話「奇跡の赤い糸」一冊の「里親探しノート」を介して、様々なドラマが繰り広げられていく全四話の物語集。