出版社コメント情報
「食べる」という限りなく身近な行為と、人口増加や貧困、格差、都市化、気候変動、SDGsといった地球規模の課題は、じつは密接につながっています。「食」が、私たち自身と世界にどんな影響を与えているのか、経済学の枠組みを使って、分かりやすく解説します!私たちがどのような世界を残していきたいかを考え、さまざまな課題にどうチャレンジしていくのか、最新の研究や情報をもとに考える未来思考の経済学書です。 食べ物は、経済学において特殊な存在です。生産の視点からいえば、自然が育てるという意味で特殊ですが、消費の視点からみても、商品の中で唯一体の中に取り込むものであり、体の内側と外側(世界)をつなぐものという点で特殊な存在です。 そして「食べる」という行為はまた、いまと将来をつなぐものでもあります。たとえば、いま私たちが乱暴な食生活をおくって環境を破壊してしまうと、将来とりかえしがつかないことになります。 この本の大きな目的は、普段の何気ない食生活も、それが地球の人口分積み重なることで、世界の経済や環境問題に大きな影響を与えていること、逆にちょっとした個人の改善も社会全体を通じて大きな改善になることを伝えることです。 単なる「食べる経済学」へのイントロダクションにとどまらない、今ある諸問題に対して学問をもって解決策(挑戦、チャレンジ)を提案していきます。